初めに 住まいづくりとは幸せを真に感じる最高の舞台。
「家族の顔」「人生の宝石箱」とも言われ、人生最高の買い物である住まいは、
私たち家族がこの世で一つであるように、この世で一つの「オンリーワン」の存在です。
オンリーワンにふさわしい舞台の実現のために、「家族の絆」を力に真摯に臨むかぎり、
幸せを真に感じられる住まいの実現が可能になると私たちは考えます。
住まいを考える「家族の絆」の力とは~話し合いの結集・或る意味では一種の戦いです。
考え方が往々にして違うからですが、決して一方的に押し進んではいけません。
家族だからこそ殆ど意見が違うのが当然と言えます。
だからこそ家づくりは時をかけてじっくりと話し合うべきでしょう。
そんな全く考え方の違う親子の家づくりの事例をご紹介します。
ご家族の紹介
お名前:田中様(仮名)
家族構成:熟年夫婦と独身長男の3人家族
3人とも働いており、健康。長男は夜勤あり。
父親と長男の考え方は全く相反する!
【父親のイメージ】
和風、植栽、庭園、堅実的、礼節論理的、昭和初期
【長男のイメージ】
洋風、植栽否定派、個性的、合理的、直感的、昭和後期
【母親のイメージ】
和洋折衷、中間派、老いては子に従え派。
住まいづくりコーディネートは、以下のような流れで行います。
《1》敷地全体計画
何をつくるか、敷地に対しての全体計画を立てます。
田中様邸では、住宅・納屋・蔵・車庫・池を含む植栽庭園と塗り塀と決定しました。
《2》新築住宅プラン
《3》工事
《4》メンテナンス
《2》新築住宅プラン
【お客さまからの要望】
雪下ろし不要な家であること
※雪下ろし不要な家には落雪型、載雪型、融雪型の3種類があります。
載雪型は構造強化のために、融雪型は融雪電気工事に費用がかさむので、
費用が変わらない落雪型の片流れ屋根形状にすることにしました。
現在のお住まいの調査~既存面積約314㎡(約95坪)
新築プランの参考にした過去のプラン~金属鋼板葺き屋根の片流れ住宅。
第1回目打ち合わせ
【ポイント】
1. 床面積が大き過ぎるので60坪前後にしたい。
2. 部屋を仕切る通路ゾーンが暗いイメージなのでイヤ!
3. 夜勤に対処した特別寝室のための別裏階段は不要(中2階スキップ型止め)
4. トイレは水回り位置に移動、2階のトイレと同じ位置にしたい。
5. 風の流れは良い。
第2回目打ち合わせ
【ポイント】
1.夫婦寝室の位置はとても落ち着かない!もっと静かで目立たない且つ水廻りに近い位置にして欲しい。
2.不意の来客や月参りの坊さんが、各部屋を通らなくても済むように且つ明るい廊下を設けて欲しい。
3.2階の部屋は不揃いでバラバラ感がする。もっと統一性が欲しい。
4.冬は寒いので2階の吹き抜けは不要。
5.玄関屋根のみは左右両側に落雪するのは了解した。
続く…